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県民総合文化祭 邦楽・邦舞公演

イベントリサーチ

県民総合文化祭 邦楽・邦舞公演

2024
11-10
県民総合文化祭の邦楽・邦舞公演で、美しい日本古来の伝統芸能を初鑑賞!【愛媛/松山市】
ハンドルネーム:
訪問先名:愛媛県県民文化会館サブホール

愛媛県県民文化会館で伝統文化にたくさん触れて素敵な時間を過ごせました!


明るくさわやかで活力のある郷土づくりを目指すアマチュア文化の祭典である「県民総合文化祭」。
愛媛県では地域に密着したさまざまな文化や芸術イベントを毎年秋に開催しており、今年も10月〜12月まで県内各所でイベントが行われています。
 
今回は2024年11月10日(日)に愛媛県県民文化会館のサブホールで行われた「邦楽・邦舞公演」の様子をご紹介!
私自身、これまであまり日本古来の伝統芸能に触れてこなかったこともあり、「こんなにすばらしい文化があるんだ!」と素直に感激の連続でした。
一度にたくさんの文化に触れることができたのも、嬉しかったです。
 
「邦楽・邦舞公演」は、日本古来の伝統芸能を中心に、三曲、日舞、能楽、長唄、琵琶、小唄、常磐津などの団体が一同に会す貴重な機会。
今回は8つの団体が出演なさっていて、全部で15の演目を見ることができましたよ!
 
伝統芸能と聞いて真っ先に感じるのは「敷居が高いしわからなさそう」ということではないでしょうか。
実際私も今まではなんとなく難しそうだし軽々しく参加してはいけない気がしていました。
ただ、今回「邦楽・邦舞公演」に参加してみて、その印象は一変!
ドのつく素人の私が見ても、どれもとても興味深くて、美しいものばかり。
これからも日本に残していくべき文化だなと強く感じました。

平山郁夫さんの「椿の園」があしらわれた緞帳がとても素敵なサブホール。 メインエントランスから入って左側にあります。


私が今回特に面白いなと思ったのが「能楽」。

大蔵流狂言の「口眞似」を鑑賞したのですが、物語が非常にわかりやすく、内容が面白かったです。

 

主人公の太郎冠者(たろうかじゃ)が主人から一緒にお酒を飲む人を探してほしいと言われて出かけるのですが、太郎冠者が連れてきたお客は酒癖が悪いと評判の人でした。

追い返したいけれど、すぐに追い返すと後日逢ったときにきまずいということで、一度もてなすことに。

しかし「私が言ったとおりにすればいい」と主人に言われた太郎冠者が、主人が太郎冠者に向けて言ったことまでお客に向かって言ってしまうからさあ大変。

ついには揉みあいになり、怒った主人が太郎冠者を投げ飛ばすと、太郎冠者はなんとお客を投げ飛ばしてしまうのです!

 

漫才で言うところの「もうええわ!」で終わるお話なのですが、ついふふっと笑えるお話で楽しかったですよ。

特にわかりやすいものを演じてくださったと思いますが、ほかの演目にも興味が湧きました。

 

もう一つ、興味深いと感じたのが「琵琶」。

表現するのが難しいのですが、少し悲しさを孕んだ深い音がするんです。

かなり独特で、琵琶でしか聞いたことがない音!

文字であらわすと「ベベン」という響きで、語りに深みを与えていました。

抱きかかえる様に弾く姿がかなり印象に残る琵琶。

途中で弦の音を変える場面もあり、かなり難しそうだなと感じました。

ただ、琵琶の音と物語が合わさるととてもかっこよかったですよ!

流派によって響きが違うのもとても興味深かったです。


大勢の方の息の合った演奏と、柔らかく美しい舞に感動! 


三曲ではたくさんの楽器を用いての厚みある演奏を聞くことができました。
箏と尺八が合わさって奏でられるハーモニーはとても美しかったです。
また、箏の中でも低音域を奏でられるよう作られた17絃の箏がかっこいいなと感じました。
 
常磐津(ときわず)は人物のせりふや心情をスマートに語る音楽。
一人一人の唄のパートがとてもよかったです。
芸妓さんが出演されていたのもとても印象的でした。
 
長唄で演奏されたのは「風流船揃(ふうりゅうふなぞろえ)」。
船の上でのひと騒ぎが表現された曲ということで、確かにお祭り感があるなと感じました。

箏と尺八が美しく混ざり合って、演目の紹介にある通り明るい気分になる演奏でした。


日舞では、影が踊りだすところから始まったり、花道から登場したりと登場シーンからとても楽しかったです。
踊りはしなやかで繊細で、とても美しいなと感じました。
舞台上のセットも情景を表すのに一役買っていましたよ!
流れるように曲線の美しさを表現しながらも決めるところは決めるかっこいいシーンや、可愛いと感じる動きもあり、面白かったです。
 
小唄と呼ばれる短い唄では、三味線と唄がその場で演奏され、音楽に合わせて芸妓さんが踊るという、普段はお座敷でしか見られないものを見ることができました。
私はお座敷へ行ったことがないので小唄を初めて見たのですが、芸妓さんの踊りを見ることができてとても嬉しかったです。
短い中で唄と三味線と踊りを合わせて様々な場面が表現されていて、知識のない私でも楽しむことができました。


シルエットから踊りが始まるのがかっこよかったです。

まとめ

教科書でしか知らなかった文化を自分で見て聞くことができて、とてもいい経験になりました。

もちろん全てを理解できたわけではないですが、「意外と気軽に参加してもいいのかも?」と思ったので、また機会があれば日本の伝統文化に自ら触れに行ってみたいです。

 

邦楽・邦舞に興味を持たれた方は、ぜひ一度公演を直接見て、可能であればご自身で体験してみてください。

とても素敵な時間があなたを待っていますよ!

県民総合文化祭 邦楽・邦舞公演

開催日/2024年11月10日(日)

開催場所/愛媛県県民文化会館 サブホール

開催住所/愛媛県松山市道後町2-5-1

料金/入場無料

問い合わせ先/愛媛県文化振興課

電話番号//089-947-5581

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